子どもを抱き上げる。その何気ない動作が、いつしか苦痛に。
金融機関に勤務する40代の男性。
初めてお会いしたときの印象は、爽やかで清潔感のある、いかにも仕事のできそうな銀行員さんでした。
お仕事では外回りも多く、家庭では2人のお子さんのお父さんです。
そんな彼を半年間悩ませていたのが、左肘の痛みでした。
最初は、物を持ち上げたときに少し痛む程度だったそうです。
ところが、時間が経つにつれて痛みは強くなり、お子さんを抱き上げるときや、物をつかんで持ち上げるときにも痛みが走るようになりました。
最近では、仕事で使用するバイクのハンドルを握るだけでも痛みが出るようになっていました。
さらに、肘が疼くように痛むこともあり、その際には左手の中指や薬指に、重だるさを伴うしびれのような感覚も現れていました。
1か月ほど前には整形外科を受診。
レントゲン検査では特に異常は認められず、**「上腕骨外側上顆炎」**と診断されていました。
いわゆる「テニス肘」と呼ばれる状態です。
しかし、症状は半年間にわたって徐々に悪化していました。
インターネットで当院を見つけ、来院されました。
お話を伺うと、肘の痛みだけではなく、慢性的な肩こりや首こり、左側の腰痛もあるとのこと。
そして、既往歴を確認していると、気になる出来事がありました。
2年前、激しいめまいと嘔吐によって救急搬送され、数日間入院していたというのです。
そのときの診断は「前庭神経炎」。
幸い、その後めまい発作が再発することはありませんでした。
この既往歴と現在の肘の痛みには、何か関係があるのでしょうか。
その可能性も念頭に置きながら、肘だけではなく、身体全体の状態を確認していくことにしました。