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公開日:2022.01.06
更新日:2024.12.06
記載内容は院長 島井浩次が執筆・監修しています。
「疳虫」とは、日本の伝統医学や育児の場面で古くから使われてきた言葉で、「夜泣き」「癇癪(かんしゃく)」「怒りっぽい」「落ち着きがない」「かん高く泣く」「驚きやすい」など、主に情緒や自律神経の不安定さを指す総称です。
現代医学の視点から見ると、疳虫に該当する症状は以下のようなものと重なります。
情緒不安定(かんしゃく、怒りやすさ)
睡眠障害(夜泣き、入眠困難)
感覚過敏(音・光・触覚など)
神経過敏(すぐに驚く、緊張しやすい)
ADHDやASD傾向を含む神経発達特性
つまり疳虫とは、「未熟な神経系が外部刺激に過敏に反応してしまっている状態」とも言えます。
これは、発達段階にある子どもにとって珍しくない現象ですが、本人にとっても保護者にとっても日常生活に困難をもたらすことがあります。
子どもの脳は、生後から10歳頃にかけて急速に発達します。
特に0〜3歳は、五感を通じて膨大な情報を取り込みながら、自律神経・感情・運動・言語などを司る神経ネットワークが形成されていく非常に重要な時期です。
疳虫症の背景には、以下のような神経発達のアンバランスが関与していると考えられます
自律神経の未熟・過敏
交感神経(興奮系)が過剰に働き、副交感神経(リラックス系)が未発達なため、刺激に対して「闘争か逃走反応(fight or flight)」が過剰に起こる。
脳幹・辺縁系の優位
情動や本能に関係する「原始脳(脳幹・扁桃体)」の活動が強く、理性的に制御する「前頭前野」が未成熟なため、感情のコントロールがうまくできない。
感覚処理の偏り
音や光、触覚などに対して過敏な子どもは、常にストレスを感じており、興奮状態が続きやすい。
こうした神経系の未熟さやアンバランスが、夜泣き・癇癪・過敏といった「疳虫」症状として現れるのです。
小児鍼(しょうにしん)は、日本独自の伝統的な小児ケア法で、針を刺すのではなく、「なでる」「さする」「軽くたたく」といった穏やかな皮膚刺激によって神経系を調整します。
皮膚刺激による副交感神経の活性化
皮膚には「C触覚線維」という、ゆっくりとやさしい触覚を好む神経があります。
これを刺激することで、オキシトシン分泌や副交感神経優位化が促され、全身がリラックス状態に導かれます。
脳幹反射の鎮静化
皮膚を通じて得られた情報は、脊髄や延髄などの脳幹部を経由して全身に影響を与えます。
小児鍼はこの経路に働きかけることで、「驚きやすい」「怒りっぽい」といった原始的な防衛反応を穏やかに鎮めます。
触覚による情緒の安定
子どもにとって「やさしく触れられる」という体験は、安心感と自己肯定感を育む重要な感覚体験です。
これは「情緒調整能力(emotional regulation)」の発達にも大きく貢献します。
機能神経学(Functional Neurology)は、脳神経の働きを評価し、感覚や運動、バランスなど非侵襲的な刺激を通じて神経機能を整える療法です。
脳の左右差と機能的未発達の補強
情緒や自律神経のコントロールには「右脳の前頭葉」と「前庭・小脳系」のバランスが重要です。
疳虫のある子どもは、これらの領域の機能低下や左右差がある場合が多く、視覚誘導運動・片側刺激・前庭入力などを通じて、機能的な偏りを補います。
脳幹の調整(特に延髄・橋)
驚きやすさ、緊張、不安定な睡眠リズムなどは、脳幹の過活動に由来することがあります。
耳介刺激、呼吸誘導、眼球運動などの特定の手法を使って、これらの反射系を穏やかに再統合します。
前庭刺激と情緒安定の関係
ブランコ、回転、バランス運動などの「前庭入力」は、感覚統合だけでなく、情緒・睡眠・自律神経に深い影響を与えます。
機能神経学では、子どもの発達段階に合った前庭刺激を用いて、神経系の過敏性を減らすことができます。
小児鍼は、全身の神経をリラックス状態へ導き、神経過敏を沈静化。
機能神経学は、脳機能のアンバランスを科学的に補正し、感情や自律神経を再調整。
この二つを組み合わせることで、疳虫症に見られる「神経の過敏さ・不安定さ」に対して、自然かつ根本的なアプローチが可能となります。
薬に頼らず、子どもの発達を手助けする方法として、安心して取り入れることができる点も大きな利点です。
施術回数の目安
大まかな施術回数の目安をご案内します。
施術回数と頻度に関しては症状の程度や生活習慣、お身体の状態で個人差があります。
ここでは当院の実績から最低の施術回数をご案内します。
施術頻度:1週間に1~2回
施術回数:8回~
疳虫症は「わがまま」や「しつけの問題」ではありません。
子どもの神経系はまだ未熟で、環境刺激や感情に対して過剰に反応してしまうのです。
これは成長の一過程であり、適切な関わりと神経系へのやさしい刺激で、驚くほど変化することがあります。
「叱る」よりも「整える」ケアを。
「静かにさせる」よりも「安心できる神経状態に導く」支援を。
小児鍼や機能神経学は、そんなやさしい選択肢のひとつです。
Field, T. (2010). Touch for socioemotional and physical well-being: A review. Developmental Review, 30(4), 367–383.
Carrick, F. R. (2010). Neurophysiological implications in functional neurology. Functional Neurology, Rehabilitation, and Ergonomics, 1(1), 67–75.
齋藤力. (2009). 『小児はりの科学』 医道の日本社
Stanley, J. & Bhat, A. (2017). Sensory processing and its relationship with motor development in infants. Physical & Occupational Therapy in Pediatrics, 37(3), 277–293.
佐藤信顕. (2012). 『小児鍼療法入門』 医道の日本社
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