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保育士さんの首の痛みの回復ストーリー

はじめに

こんにちは。大阪府枚方市にある はる鍼灸整骨院 院長の島井浩次です。

当院には、仕事や家庭を守りながら、自分の体を後回しにして不調を抱えてしまった方々が多く来られます。


今回は、「ある朝突然の首の激痛から始まり、顎や頭まで痛みが広がった40代女性保育士の方」の症例をご紹介します。

「ただの寝違え」と思って放置してしまいがちな症状の裏に、どんなメカニズムが潜んでいるのか。

そして、なぜ鍼灸と機能神経学アプローチが奏功したのかを、わかりやすくお伝えします。

 

 

患者さんの背景と日常


患者さんは40代女性、公立保育園に勤務する保育士さんです。

3人の小学生の母親でもあり、朝から晩まで「仕事・家事・育児」の三重奏。
 

  • 朝はお弁当作りと子どもたちの登校準備
  • 昼間は保育園で20名以上の園児を相手に目まぐるしい保育業務
  • 夕方は子どもたちを迎えに行き、晩ご飯の支度、宿題の確認
  • 夜は翌日の準備をして、ようやく自分の時間が持てるのは深夜

     

園児の安全管理、行事の準備、保護者対応。

時には理不尽なクレームもあり、心身ともに消耗していました。

 

 

 

突然の発症


その日は、何気ない朝でした。

布団から起き上がろうとした瞬間。

首に激しい痛みが走ったのです。


「動かせない…どうしよう」

鏡を見ると、首は左に全く回らず、少し動かそうとするだけで涙がにじむような痛み。

すぐに整形外科を受診しましたが、レントゲンは異常なし。

「強い寝違えですね」と湿布と痛み止めを処方されただけでした。


しかし翌日、痛みはさらに悪化。

顎まで痛みが広がり、噛むことすら辛い。

食卓で子どもたちとご飯を囲んでも、まともに噛めずに飲み込むだけ。

さらに頭痛も出てきて、仕事も家事も思うようにこなせなくなりました。


「これでは仕事にならない。子どもたちに迷惑をかけてしまう…」

そんな焦りと不安でいっぱいになり、知人の紹介で当院に来院されました。

 

 

 

初診時の状態


当院での検査結果は次のとおりです。
 

  • 首の可動域:左へ全く向けず、上も見上げられない
  • 圧痛:肩甲挙筋・斜角筋・僧帽筋・胸鎖乳突筋に強い圧痛
  • 顎の状態:咬筋にジャンプサイン(強い圧痛)、内側翼突筋にも圧痛あり。強く噛むことが困難
  • 小脳機能検査:継足歩行やロンベルグで大きく動揺
  • 眼球運動:パスートにサッケードが混入、輻輳反射は開始できても維持できない
     

これらの所見から、首や顎の筋肉の過緊張に加え、小脳・中脳・前頭前野の機能低下が疑われる状態と考えられました。

 

 

 

なぜ「首の痛み」が「顎」や「頭痛」に広がるのか?


① 筋膜と筋肉の連鎖

首の筋肉(胸鎖乳突筋、斜角筋など)の緊張は、顎を動かす筋肉(咬筋、翼突筋)へ波及します。筋膜はつながっているため、一部の異常が連鎖的に広がります。
 

② 神経学的つながり(三叉神経)

顎の感覚と咀嚼筋は三叉神経が支配。
首の過剰な入力は三叉神経核を介して顎や頭部に「痛み」として投射されます。

 

③ 小脳の役割

小脳はバランスだけでなく、筋肉の緊張を微調整する役割を持ちます。
小脳機能が低下すると筋肉の制御がうまくいかず、症状が固定化しやすくなります。

 

 

 

治療方針


当院では以下の施術を選択しました。

  • トリガーポイント鍼治療

 - 首・顎まわりの過敏な筋肉を直接緩める
 - 血流改善と神経の過敏状態を鎮静

 

  • 機能神経学アプローチ

 - 小脳・中脳・前頭前野の機能回復を狙った刺激
 
- 眼球運動訓練やバランス刺激で神経の可塑性を促す




治療経過


1回目

鍼治療で咬筋・胸鎖乳突筋を中心に施術。直後から首の可動域が改善。
「だいぶ楽です。痛みが7割くらい減りました」

その夜は久しぶりに家族と食卓を囲み、噛む動作が楽にできたと報告がありました。

 

2回目

首の可動域はさらに改善。顎の痛みも軽減し、頭痛の頻度が減少。
仕事中のストレスも軽くなったとのこと。

 

3回目

眼球運動やバランステストでも改善傾向。夜中に目覚めることが減り、睡眠が深くなったと話されました。
 

4回目

首の痛みはほぼ消失。
子どもを抱き上げても不安がなくなり、保育園での動作も楽に。

 

5回目

症状は完全に消退。小脳機能の検査でも安定性が回復し、再発予防のためのセルフケア指導を行いました。



 

専門解説:鍼灸と神経学の融合


鍼治療は、筋肉のトリガーポイントを刺激することで 局所の血流改善・筋緊張緩和 をもたらします。

さらに神経生理学的には
 

  • 静止膜電位の安定化 → 神経の過敏性を抑える
  • 下行性疼痛抑制系(PAGや延髄縫線核)の賦活
  • 三叉神経核の血流改善による顎・頭部の痛み緩和
     

機能神経学アプローチを組み合わせることで、脳の機能そのものを再調整し、症状の再発を防ぐ土台を作ることができます。

 

 

 

生活の変化


「首と顎が楽になったら、子どもと一緒に食事が楽しい」

「仕事中に笑顔で対応できるようになった」

「夜ぐっすり眠れるようになった」

身体の改善は、家庭や仕事での笑顔につながっていきました。

 

 

 

まとめ


今回の症例は、「首の寝違え」から始まった痛みが顎や頭に広がったケースでした。

単なる筋肉の問題ではなく、神経系の調整が必要だったことが改善の決め手でした。

当院では、筋肉と神経、両面からのアプローチで患者さんをサポートしています。

 

 

 

院長メッセージ


子育てや仕事で「自分の体は後回し」にしてしまう方へ。

一見「寝違え」と思える症状でも、その裏に複雑な神経の働きが隠れていることがあります。

痛みで生活が制限される前に、ぜひご相談ください。

あなたの毎日に笑顔が戻るよう、全力でお手伝いします。

 

 


出典・参考文献

  • Simons DG, Travell JG. Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual.

  • Schabrun SM, et al. Cortical reorganization in chronic neck pain: implications for physiotherapy. Man Ther. 2014.

  • Borsook D, et al. Pain and the brain: The role of functional imaging. Neuron. 2006.

  • 野坂和則ほか『ペインサイエンスの最前線』医歯薬出版, 2022.

     

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