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はじめに

こんにちは。大阪府枚方市にある「はる鍼灸整骨院」の院長 島井浩次です。

当院では、「病院では異常が見つからなかったけれど、つらい症状に悩んでいる方」をサポートすることを得意としています。

今回ご紹介するのは、20歳の大学生Yさん(仮名)の回復ストーリーです。

春休みのある習慣が引き金となり、突然 胃のむかつき、胃痛、食欲不振、げっぷ などの症状が現れました。

病院では「機能性ディスペプシア」と診断されましたが、薬を飲んでも改善せず、1カ月で5キロも体重が減少。


「このままずっと食べられなかったらどうしよう」という不安に押しつぶされそうになっていた彼が、どのようにして元気な日常を取り戻したのか。

同じような症状に悩む方へ、少しでも希望になれば幸いです。

 

 


1.春休みが変えた生活——症状の始まり

「春休みだから、つい夜更かししてスマホをいじってしまって…」

初診の日、Yさんは苦笑いを浮かべながら話してくれました。


症状が現れたのは3月下旬。

最初は「なんとなく胃が重いかな」という程度でしたが、数日後には食べ物を見ただけで胃がムカムカするようになりました。

「お腹が張って、げっぷばかり出るんです。何か食べると余計にしんどくなって…」

春休みが終わるころには、好きだったラーメンや丼物も一口で箸が止まるようになり、1カ月で5キロも体重が減少。

友人から「やせた?」と心配されるようになりましたが、嬉しいどころか不安が募るばかりだったそうです。

 

 

 

2.病院での診断と不安感

4月上旬、心配したご両親に勧められ、消化器内科を受診しました。

内視鏡や血液検査などを受けましたが、結果は「胃に異常はありません」。

診断は「機能性ディスペプシア」で、薬を処方されましたが、症状はほとんど変わりませんでした。

「異常がないって言われても、実際にしんどいんですよ…」

「このままずっと食べられなかったらどうしよう…」

Yさんはそう語り、表情は不安で曇っていました。

 

 

 

3.当院での初診時—身体が物語るサイン

4月下旬、Yさんは当院を訪れました。

椅子に座るその姿は、背中が丸まり、胸がすぼんだ猫背。呼吸は浅く、会話の途中でも無意識にお腹を押さえる仕草が見られました。
 

機能神経学的検査の結果

  • 眼球運動:パースート(追従運動)とサッケード(跳躍運動)に異常

  • 輻輳反射:左右差あり

  • 胸郭の動き:硬く、呼吸が浅い

  • 胃周辺部:多数の圧痛あり

  • 姿勢:猫背が強く、首は前方へ突き出している

これらは消化器だけでなく、神経系にも問題があることを示していました。

 

 

 

4.症状悪化の原因—春休みのスマホ習慣

ここで重要だったのが、春休み中の生活習慣です。

Yさんは春休みの間、スマホを1日15時間以上使い続けていたそうです。

しかも床にスマホを置き、猫背で下を向き続けて動画やSNSを見ていたとのこと。

これがなぜ胃に影響するのか?ポイントは以下の3つです。

 

 

 

①猫背・胸郭の硬さと呼吸の浅さ

猫背が続くと、胸郭が硬くなり横隔膜の動きが制限されるため、呼吸が浅くなります。

呼吸が浅くなると、副交感神経(迷走神経)が働きにくくなり、胃腸の動きが低下します。



②長時間の下向き姿勢が眼球運動に悪影響

スマホに視線を固定し続けることで、

  • パースート・サッケードの低下

  • 輻輳反射の左右差
    が起こりやすくなります。
    これらは小脳や脳幹の疲労を意味し、胃腸をコントロールする自律神経にも影響します。



     

③脳幹疲労と交感神経優位

長時間の視覚負荷で脳幹が疲労すると、交感神経が優位になり、胃の血流が低下します。

その結果、胃周辺に圧痛が出やすく、消化機能がさらに低下します。

 

 

 

5.施術内容と回復までの経過
 

初回〜2回目(4月下旬)

  • 施術方針

    1. 呼吸改善:胸郭可動性を高める手技とトリガーポイント鍼

    2. 迷走神経刺激:耳介刺激と軽い呼吸誘導

    3. 眼球運動調整:サッケード・パースートのリハビリ

施術後、「少しお腹が軽い気がします」と変化を感じ始めました。

 

 

3〜4回目(5月上旬)

  • 胃のムカつきが軽減。

  • 食べる量が増え始め、体重減少が止まる。

  • 呼吸が深くなり、「寝る前にお腹が温かい感じがする」との感想。
     


5〜6回目(5月中旬)

  • げっぷが減り、食事が楽しめるようになる

  • 眼球運動検査でも輻輳反射の左右差が改善

     

7回目以降(5月下旬)

  • ほぼ症状が消失。

  • スマホの使い方を見直し、1日3時間程度に制限。

「久しぶりに友達と外食できて、普通にご飯が美味しいです!」と笑顔が戻りました。

 

 

 

6.考察—なぜ改善したのか

今回のポイントは、「胃そのものではなく、神経機能の問題」でした。
 

  1. 胸郭・横隔膜の可動性を回復 → 呼吸改善 → 副交感神経活性化

  2. 眼球運動リハビリ → 小脳・脳幹への負荷軽減 → 自律神経調整

  3. 鍼刺激 → C線維を介した迷走神経賦活 → 胃血流改善
     

特に、春休みのスマホ習慣という「環境要因」が引き金だったことが重要です。

 

 

 

7.まとめ—同じ症状で悩む方へ

「胃に異常はない」と言われても、実際に症状があると不安ですよね。

今回のように、姿勢や生活習慣が自律神経に影響を与え、胃腸症状を引き起こすケースは少なくありません。

「もしかしたら自分も…」と思った方は、

  • 呼吸を意識する

  • スマホやPCの時間を見直す
    だけでも変化が出る場合があります。


     


参考・出典論文

  1. Tack J, Talley NJ. Functional dyspepsia – symptoms, definitions and validity of the Rome III criteria. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2013.

  2. Van Oudenhove L et al. Psychophysiological mechanisms in functional dyspepsia. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016.

  3. Khedr EM et al. Effect of vagus nerve stimulation on gastric motility. J Gastroenterol Hepatol. 2019.

  4. Schafer T et al. Posture and autonomic nervous system modulation. Auton Neurosci. 2018.


 

 

 

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