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▶はじめに

はる鍼灸整骨院の院長 島井浩次です。

これまで、痛みやしびれ、不調に悩む多くの方々の施術に携わってきました。

本記事では、「首を動かすと肩から腕がズーンと痛む」という、よくあるけれど根深いお悩みについて、実際の症例をもとに、原因の探り方や施術方法、回復までの過程を丁寧にご紹介します。

「なんとなく似た症状あるかも…」という方が、ご自身の身体の声に気づき、安心して一歩踏み出せるきっかけになれば幸いです。

 

 

▶ある40代男性の来院

「ここ2週間くらい、首を右に向けたときに肩から腕にかけてズーンと重だるい痛みが走るんです。」

「寝違えかと思ったけど、だんだんひどくなってきて…」

来院されたのは、デスクワーク中心のお仕事をされている40代の男性。

体格は中肉中背、普段から運動習慣は少なめ。

問診を進めていくと、以下のような特徴が見えてきました。

 

  • 症状は右側に集中している
  • 首を右に回す、または右に傾けると肩〜腕にズーンと響く
  • 安静時はそこまで気にならないが、朝起きると症状が強い
  • 特に右肩甲骨の内側に「鈍いコリの芯」のような感覚がある

 

 

 

 

▶一見、首の問題に見えて実は…

このような症状があると、多くの方が「首の骨が悪いのでは」「神経が圧迫されている?」と思われるかもしれません。

もちろん、頚椎ヘルニアや神経根症といった病態の可能性も否定はできません。

ですが、この方のケースでは整形外科での画像検査にて異常なし。

つまり、「構造的な問題はないけど痛い」という、いわゆる“機能性の問題”でした。

 

 

 

 

▶鍵は「トリガーポイント」と「神経の働き方」

症状の本質に迫るには、「筋肉のコリ(=トリガーポイント)」と「神経のバランス」を読み解く必要があります。

 

● トリガーポイントとは?

いわば“痛みの震源地点”

筋繊維の一部がずっと収縮しっぱなしになり、そこから「関連痛(痛みを飛ばす)」が発生します。
 

今回の方では、特に以下の筋肉にトリガーポイントが形成されていました。
 

  • 肩甲挙筋(けんこうきょきん):首から肩甲骨の上角につながる筋。
  • 菱形筋(りょうけいきん):肩甲骨と背骨の間にある筋。
  • 斜角筋群(しゃかくきん):首の深部、呼吸にも関わる重要な筋群。
     

これらの筋肉はデスクワークで“じっとしている姿勢”が長く続くことで、血流が悪くなり、ATP(エネルギー)の産生も落ちて、回復できない状態に陥ります。

 

 

 

▶トリガーポイント鍼治療の実際

トリガーポイント鍼治療では、これらの「悪さをしている筋肉の芯」を的確に探し出し、鍼で刺激を加えます。

すると、筋肉の反射的な収縮(局所的収縮反応=LTR)が起き、血流がグッと増し、痛みの物質が洗い流されるのです。

「ズーンと響く痛み」は、まさにそのトリガーポイントの関連痛によるものであり、鍼治療によって一度“リセット”されることで、劇的に軽減するケースが多々あります。

 

 

 

 

▶それだけじゃない。機能神経学的な見立ても重要

ここからが当院ならではのポイントです。

“痛みが出る場所”だけを追っても、本質的な改善にはつながりません。

神経系の働き、特に「体性感覚と運動機能の統合」の視点が必要です。

 

● この方の神経評価の結果
 

  • 右足部の感覚入力が鈍い(=右足裏の触覚や位置感覚が弱い)
  • 左大脳半球の機能低下の兆候あり(=空間認識・運動制御の調整が乱れている)
  • 立位時の重心がやや左後方に偏っていた
     

つまり、

「右の足の感覚入力の弱さ」→「左脳の活動低下」→「右肩周囲の運動制御の不安定さ」→「無意識に力が入る」→「筋の過緊張とトリガーポイント形成」

という流れが隠れていたのです。

 

 

 

▶アプローチは「全体のバランスの調整」

施術では、トリガーポイント鍼に加えて、以下の機能神経学アプローチを組み合わせました。
 

  • 右足底への感覚入力トレーニング(ブラシ刺激や軽い振動)
  • 視覚・前庭統合のリハビリ(右側注視+頭部回旋)
  • 重心調整トレーニング(バランスマット上での片足立ち)
  • 頚部の深部感覚トレーニング(アイソメトリック運動+眼球運動)
     

これにより、「足から脳」「脳から肩」のルートを整え、負担のかかる筋に過剰な命令が行かないように調整しました。

 

 

 

 

 

改善のプロセスと変化
 

● 初回
施術後、「右を向いたときのズーンとくる感じが半分くらいになってます」と驚きの表情。
 

● 3回目
朝の痛みはほとんどなくなり、仕事中の集中力も上がったと実感。
 

● 5回目
「気がついたら、痛みを意識しなくなってました」

首の可動域もスムーズになり、トリガーポイントの反応もなくなってきました。

 

 

 

▶この症状、意外と多いです

「首をちょっと動かすだけで肩から腕が重だるい」

「朝がつらいけど、昼間はましになる」

このような症状の裏には、筋・神経・感覚の“つながり”の乱れが潜んでいることが多くあります。

筋肉単体の問題ではなく、「なぜそこが硬くなっているのか」を探る視点が必要なのです。

 

 

 

▶まとめ:こんな方は要注意!
 

  • デスクワーク中心で、運動習慣が少ない
  • 足首の捻挫歴がある
  • 姿勢が悪いと自覚している
  • 朝起きると首・肩がズーンと重い
  • 鍼やマッサージを受けてもすぐ戻る
     

こういった方は、一度トリガーポイント鍼+神経機能評価を受けることをおすすめします。

 

 

 

▶おわりに

症状を「一部分のトラブル」と捉えるのではなく、「全体のバランスの乱れ」としてとらえること。

それが、長年の不調から抜け出すための大きなヒントになります。

あなたの“ズーン”という痛みも、きっと根本から整えることができます。

いつでもご相談ください。

 

 


参考文献(出典)

  1. Simons DG, Travell JG, Simons LS. Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual. Lippincott Williams & Wilkins.

  2. Haavik H, Murphy B. The Role of Spinal Manipulation in Addressing Disordered Sensorimotor Integration and Altered Motor Control. J Electromyogr Kinesiol. 2012.

  3. Carrick FR. Neurophysiological Implications in Rehabilitation. Int J Neurosci. 1997.

  4. Liemohn W. The Relationship Between Foot Sensation and Balance. Phys Ther. 1999.


 

 

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