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こんにちは。はる鍼灸整骨院の院長、島井浩次です。

日々、様々な症状に悩む患者さまと向き合うなかで、

「本当に良くなるのだろうか…」という不安を抱えて来院される方は少なくありません。

今回ご紹介するのは、「慢性的な腰痛」に長年悩まされていた50代男性・Aさんのストーリー。

腰痛により、仕事にも家族との時間にも支障が出ていたAさんが、なぜ回復の道を歩めたのか。

その過程には、慢性腰痛に共通する原因や、知られざる神経のメカニズムが関わっていました。

ぜひ最後まで読んでみてください。

 

◆きっかけは、何気ない「前かがみ」だった

「最初は、ただの筋肉痛だと思っていました。」

Aさんが初めて腰に違和感を覚えたのは、数年前、庭の草むしりをしていたときのこと。

小一時間ほど前かがみの姿勢を続けていただけで、腰に鈍い痛みが走ったといいます。

そのときは、「ちょっと無理したかな」程度の認識で、湿布を貼ってそのまま放置。

ところがそれから数日経っても痛みは取れず、むしろ徐々に深く、重く、日常の動作にも影響するように。

いつの間にか「洗顔」「靴下をはく」「車の乗り降り」など、何気ない動作で腰をかばうクセがついていったそうです。

 


 

◆「痛くない動きを探す日々」

仕事はデスクワーク中心の管理職。

1日中座ってパソコンとにらめっこする業務が続き、夕方になると腰の重だるさはピークに。

「座ってるだけで痛いって、おかしいと思ったんです。」

けれど整形外科では、「加齢に伴う変性ですね」「運動不足もありますし」と言われ、湿布と痛み止めを処方されるばかり。

そのうち、座り方や体重のかけ方、イスの種類まで神経質になっていき、

「どう動けば痛くないか」「どの姿勢なら楽か」ばかりを探し続ける生活に。

「気づけば、生活の主導権が“痛み”に握られていたんです。」

 

 

◆痛みと心の関係 〜「気のせいです」と片づけられた不安〜

慢性的な腰痛は、痛みの強さよりも「コントロール不能感」がつらい、と多くの方が語ります。

Aさんも、MRIやレントゲンで異常が見つからず、医師に「ストレスが原因ですね」と言われたときは、「じゃあ、この痛みは“気のせい”なのか?」と、自分を責めるようになったそうです。
 

けれど、慢性痛の最新研究では「痛み=身体の異常」だけでは説明できないことがわかっています。

たとえば脳科学では、痛みの信号が脳で「危険」と判断されることで、実際よりも痛みを強く感じるという現象が知られています。

つまり、Aさんの痛みは“気のせい”ではなく、

「神経系の過剰な警戒状態」によって引き起こされていた可能性があるのです。

 

 

 

◆脳と神経の働きに注目した評価

Aさんが当院に来られたのは、紹介で来られた奥さまがきっかけでした。

初回の問診では、痛みの場所や動作だけでなく、次のような点にも注目して評価を行いました。
 

  • 視覚・平衡感覚の協調
  • 呼吸の質と深さ
  • 背骨・骨盤の自動運動
  • 内臓の緊張と自律神経の反応
     

「なんで目の動きを診るんですか?」とAさんは不思議そうでしたが、

視覚や前庭(バランス)の情報は、姿勢の調整に密接に関わっています。

長期間の痛みによって、脳が「過剰警戒モード」になっており、

体の動きを自動的にセーブする状態になっていたのです。

 

 

 

◆「守りの姿勢」から抜け出せない神経のクセ

慢性痛の身体では、まるで「火災報知器の誤作動」のように、

ちょっとした刺激にも過敏に反応してしまうことがあります。

Aさんの腰も、実際の組織の損傷は見られないにもかかわらず、

脳が「また痛くなるぞ!」と自動的に守りに入り、筋肉の過緊張と動作の制限を繰り返していました。

この状態を“神経のブレーキが強くかかっている状態”と考えると、わかりやすいかもしれません。

 

 

 

◆施術のアプローチ 〜脳と神経のリセット〜

Aさんには、次のような施術を中心に行いました。
 

① 機能神経学的アプローチ

眼球運動、バランス刺激、姿勢反射などを用いて、神経系の左右差や興奮の過不足を整える施術。

→神経の“感度”をリセットし、過剰警戒を解除。

 

② 鍼灸による自律神経調整

腹部や背部の交感神経節、迷走神経の走行部を刺激し、副交感神経優位に。

→筋緊張の解除、呼吸の深さの回復。

 

③ 運動療法・呼吸トレーニング

骨盤まわりのインナーマッスルの協調や、横隔膜の可動性を高める練習。

→腰の“支え直し”による再学習。

 

 

 

◆3ヶ月後、「痛みを忘れていた自分」に驚く

「先生、そういえば昨日、掃除してても痛くなかったんですよ。」

Aさんがふと漏らした言葉が、施術者として印象的でした。

「痛みを感じなかった」よりも、「痛みの存在を忘れていた」ことに驚いた様子だったのです。

これはまさに、神経系が“危険信号”の発信をやめ、動作の自由度を回復しはじめた証拠。

体の動きが滑らかになり、呼吸が深くなり、表情も明るくなっていきました。

 

 

 

◆「痛みがなくなる」ではなく「自分の体を信じられる」状態へ

Aさんのように、慢性痛から抜け出せた方の多くが口にするのは、

「痛みがゼロになったことより、動ける自分が戻ってきたことが嬉しい」という実感です。

つまり、私たちが目指すべきゴールは「痛みを取ること」ではなく、

「痛みに支配されない体と心を取り戻すこと」

Aさんは今、月1回のメンテナンスを続けながら、旅行や家庭菜園を楽しんでおられます。

「また痛くなったらどうしよう」という不安ではなく、

「少し休めば大丈夫」と思える“安心感”が、何よりの回復の証なのです。

 

 

 

◆慢性腰痛に悩むあなたへ

慢性的な腰痛に悩んでいると、「もう歳だから仕方ない」「一生付き合うもの」とあきらめてしまいがちです。

けれど、Aさんのように、痛みの背景にある「神経の誤作動」にアプローチすることで、回復の可能性は大きく広がります。

痛みは「敵」ではなく、「脳と体が出しているSOSのサイン」。

それを正しく受け止め、優しく調整していくことで、身体は驚くほど変わっていきます。

もしあなたやご家族が、「慢性痛でもう限界かも…」と感じていたら、

一度、“脳と神経の視点”で自分の体を見直してみませんか?

私たちはそのための伴走者でありたいと思っています。



 


◆参考文献・出典

  • Apkarian AV, et al. “Chronic pain patients are impaired on an emotional decision-making task.” Pain. 2004.

  • Moseley GL. “Reconceptualising pain according to modern pain science.” Physiotherapy theory and practice. 2003.

  • Tracey I, Mantyh PW. “The cerebral signature for pain perception and its modulation.” Neuron. 2007.

  • 神経生理学と機能神経学に基づく徒手療法実践書 各種


 

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