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はじめに:耳鳴りの本当の原因を知っていますか?

「ジーッという音が止まらない」

「耳が詰まったようで、周りの音がこもって聞こえる」

このような耳鳴りの症状に悩む方はとても多く、耳鼻科に行っても「異常なし」「加齢のせい」「ストレスでしょう」と言われ、納得できないまま悩み続けているケースも少なくありません。
 

しかし、耳鳴りは単なる「耳の病気」だけでは説明できない複雑な症状です。
最近の研究では、耳の奥にある内耳や聴覚神経(蝸牛神経)だけでなく、
 

  • 顔や喉の感覚を司る神経
  • 自律神経の働きに関与する神経
  • 鼓膜や耳小骨の動きを支配する微小な筋肉


といった広範な神経系の働きが関与していることが分かってきました。

特に注目すべきは、三叉神経・舌咽神経・迷走神経という三つの脳神経です。

本記事では、これらの神経がどのように耳鳴りに影響するのか、そして、それらの神経機能を調整する鍼灸治療の有効性について、神経学的視点から分かりやすく解説していきます。

 

耳鳴りの一般的な原因と限界

耳鳴りは医学的には「自覚的耳鳴」と呼ばれ、自分にしか聞こえない音(幻聴ではなく実感としての音)として知覚されます。

以下のような耳そのものの異常が原因とされることが多いです。
 

  • 加齢性難聴(聴神経の変性)

  • 騒音性難聴(大音量による内耳損傷)

  • 中耳炎・耳管開放症

  • メニエール病

  • 耳垢の閉塞や耳管の異常
     

しかし、実際には画像検査や聴力検査でも異常が見つからない“機能性耳鳴り”が非常に多く、医療機関でも対処が難しいのが現状です。

そこで重要なのが、「脳神経機能のバランスの乱れ」という視点です。


 

三叉神経・舌咽神経・迷走神経とは?それぞれの耳との関係

■ 三叉神経(第5脳神経)

三叉神経は顔の感覚(痛み・触覚・温度感覚)と、咀嚼筋の運動を司る神経です。
そのうち第3枝(下顎神経)が、耳管を調整する「鼓膜張筋」という筋肉を支配しています。

この筋肉は、音を内耳に伝える鼓膜や耳小骨の張り具合を微細に調整し、外部の音を正しく耳に伝えるフィルターのような役割を果たしています。

もし三叉神経の働きが低下すれば、

  • 鼓膜の張力が崩れる

  • 耳管が閉塞気味になり音の通りが悪くなる

  • 外音と内耳の入力バランスが崩れる
     

といった変化が起こり、結果的に「耳鳴り」や「耳詰まり感」「音がこもる」などの症状が出現します。

 

■ 舌咽神経(第9脳神経)

舌咽神経は、名前の通り舌の後ろ側や咽頭の感覚・味覚を支配する神経で、さらに中耳腔の粘膜や鼓膜の内面も支配しています。

この神経が関与する領域には、

  • 耳の奥の「詰まり感」や「圧迫感」

  • 飲み込んだ時に耳が変な感じがする

  • 喉の異常感(ヒステリー球)

などが出ることがあり、耳鳴りと合わせて訴える方が多くみられます。

さらに、舌咽神経は後述する迷走神経と脳幹内で密接につながっており、機能が落ちると自律神経の乱れ(動悸・息苦しさ)も引き起こすことがあります。


 

■ 迷走神経(第10脳神経)

迷走神経は脳神経の中で最も長く、かつ広範囲に影響する神経です。耳に関しては、

  • 耳介枝(Arnold神経)が外耳道や鼓膜周辺の皮膚に分布

  • 心拍・呼吸・消化などの自律神経機能を調整

  • 中枢(延髄)で舌咽神経や三叉神経と協調して働く

という特徴があります。
 

迷走神経が機能低下すると、

  • 耳がかゆい・詰まった感じ

  • 息苦しさ・喉の違和感

  • 自律神経失調による不安感・不眠

などが現れやすく、耳鳴りがそれに伴って増悪することも多くあります。

 

3つの神経の機能低下が引き起こす「耳鳴りの正体」

このように、耳の構造に直接関係していないように思える神経たちが、
「耳の内部構造の微細な調整」「感覚信号の入力」「中枢での情報処理」に関わっているのです。

では、なぜこれらの神経が機能低下するのでしょうか?
 

● 代表的な原因:

  • 長時間のスマホ・PCによる前傾姿勢(頚部神経の圧迫)

  • ストレスによる自律神経の過緊張

  • 咬筋や側頭筋の緊張による三叉神経の刺激

  • 食いしばりや顎関節のトラブル

  • 頸部〜後頭部の筋緊張・血流低下

 

こうした要因が重なると、脳幹にある三叉・舌咽・迷走神経の神経核が慢性的に疲弊し、
結果として耳の感覚の処理ミス=耳鳴りが発生してしまうのです。

 

鍼灸でのアプローチ:神経を“リセット”する方法とは

現代鍼灸では、筋肉や経絡だけでなく、神経生理学的なメカニズムに基づいた刺激を行います。
 

● 鍼灸が耳鳴りに有効な理由

  1. 末梢神経への求心性入力を高める
    → 三叉神経・舌咽神経・迷走神経の活動を促進

  2. 脳幹の血流と酸素供給を改善
    → 延髄にある各神経核の機能を回復

  3. 耳周囲の筋肉・筋膜の緊張を解放
    → 間接的に鼓膜や耳小骨の動きを調整

  4. 自律神経の調和による内耳循環の安定
    → 耳鳴り感覚の閾値を引き上げる(気にならなくなる)



     

 実際に施術する部位と目的

 

部位 主な目的 対応神経
咬筋・側頭筋・翼突筋 三叉神経刺激・咀嚼筋の緊張緩和 三叉神経(V3)
翳風・完骨・耳門 耳介〜外耳道の感覚調整 顔面・迷走・舌咽神経
胸鎖乳突筋・後頭下筋 脳幹部(延髄)の血流促進 舌咽・迷走神経
上部頸椎(C1〜C3) 延髄からの求心性入力活性化

複数神経に間接刺激

まとめ:耳鳴りは“神経の不調”から整える時代へ

耳鳴りの治療というと、つい「聴力」「耳の構造」に目が行きがちです。

しかし、神経の誤作動によって生じる耳鳴りが非常に多く、そこには三叉神経・舌咽神経・迷走神経の複雑な関係が関与しています。

現代鍼灸では、これらの神経系の働きを「再教育」し、神経・筋肉・自律神経をバランスよく整えることが可能です。

「原因がわからない耳鳴り」

「病院では異常なしといわれたけれど不快感が続く」

そんな方こそ、ぜひ一度、神経から整える鍼灸治療をお試しください。


 


参考文献

 

  • Shore SE, Wu C. Mechanisms of noise-induced tinnitus: insights from cellular studies. Neuron. 2019.

  • De Ridder D, et al. Tinnitus and the triple network model: A perspective. Clin Neurophysiol. 2014.

  • Biesinger E. Neurophysiological basis and treatment of tinnitus. HNO. 2010.

  • Sasaki Y. Anatomical relation between glossopharyngeal nerve and middle ear. J Otolaryngol Japan. 1997.

  • Wang H, et al. Transcutaneous auricular vagus nerve stimulation: a new approach for tinnitus. Front Neurosci. 2021.

     

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