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耳鳴りについて

耳鳴り(tinnitus)は、外部に音源がないにもかかわらず、本人が音を感じる現象です。

その原因は多岐にわたりますが、機能神経学的な観点からは、聴覚システムや脳の働きに起因するケースが多いと考えられています。

 

1. 耳鳴りの基本的なメカニズム

耳鳴りは、主に聴覚経路の異常な神経活動に関連しています。

音は通常、耳(外耳、中耳、内耳)で受け取られ、聴覚神経を通じて脳幹や大脳皮質の聴覚野に伝達されます。

この経路のどこかで異常が生じると、耳鳴りが発生する可能性があります。

たとえば、内耳の蝸牛(かぎゅう)の有毛細胞が損傷すると、異常な信号が聴覚神経に送られ、実際には存在しない音として認識されることがあります。

 

2. 神経過敏と中枢感作

耳鳴りは、神経系が過敏になった状態(神経過敏)や中枢感作(central sensitization)と関連しています。

特に、内耳から脳に向かう信号が低下すると、脳はその信号を補おうとして、聴覚野の神経活動を過剰に増幅します。

この増幅が、音のない環境でも「音がある」と認識させる原因となります。

 

3. 大脳の役割

耳鳴りの持続や強さに影響を与える重要な要素は、大脳の神経回路です。

聴覚野だけでなく、扁桃体や前頭前野などの情動や認知を司る領域も関与しています。

耳鳴りの音そのものは、通常の音と比べて無害ですが、それを「ストレスフル」や「不快」と感じることで、扁桃体が反応し、耳鳴りの認識がさらに強化されるという悪循環が生じます。

 

4. 脳内ネットワークの再編

機能神経学的には、耳鳴りは脳内ネットワークの再編(neuroplasticity)とも関係があります。

たとえば、聴覚信号が減少すると、視覚野や体性感覚野などの他の感覚領域が、聴覚野の役割を部分的に引き継ぐことがあります。

この再編が耳鳴りの感覚を持続させる要因になる可能性があります。

 

5. ストレスと耳鳴り

ストレスは耳鳴りを悪化させる大きな要因です。

ストレスがかかると、交感神経が活性化し、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることがあります。

この乱れが耳鳴りを感じやすくする可能性があります。

また、ストレスによって注意が耳鳴りに向けられることで、耳鳴りがより強く感じられる場合もあります。

 

6. 機能神経学的アプローチ

耳鳴りの治療や緩和には、脳と神経の機能を再調整する方法が有効です。

以下のアプローチが挙げられます。

聴覚リハビリテーション

特定の周波数の音を用いて、聴覚システムの過剰な神経活動を抑制します。

神経フィードバック

耳鳴りを引き起こす異常な神経活動を正常化します。

リラクゼーション

呼吸法を取り入れ、ストレスを軽減することで耳鳴りを和らげます。

 

ここまでのまとめ

耳鳴りは単に耳の問題ではなく、聴覚システム全体や脳の働きが関与する複雑な現象です。

機能神経学的には、神経活動の異常や脳のネットワークの変化、さらには情動やストレスの影響が絡み合っていると理解されています。

そのため、耳鳴りを改善するには、単なる聴覚へのアプローチだけでなく、脳全体の働きを考慮した包括的なケアが必要です。

 

 

 

耳鳴りと鍼灸治療について

鍼灸治療は、耳鳴りに対して伝統的な東洋医学の理論と、現代の生理学的なメカニズムの両方に基づいて行われます。

その効果は、神経系、血液循環、ホルモンバランス、そしてストレスの軽減に関与する複数の要素によって説明されています。

 

1. 東洋医学的な視点

東洋医学では、耳鳴りは「腎」「肝」「脾」の機能低下や気血の不調によるものと考えられます。

腎虚

東洋医学では「腎は耳を司る」とされており、加齢やストレスなどで腎の機能が低下すると耳鳴りが生じるとされています。

肝火上炎

ストレスや感情の乱れにより、肝の「気」が鬱滞し、体内の熱が上昇して耳鳴りを引き起こすと考えられます。

脾虚

消化吸収の不調がエネルギー不足を招き、耳への栄養供給が不足すると考えられています。

 

鍼灸治療では、これらのバランスを整えるために、特定の経絡(エネルギーの流れ)や経穴(ツボ)を刺激します。

 

2. 鍼灸治療の生理学的なメカニズム

現代医学的には、鍼灸が耳鳴りに作用する機序として、以下の要素が挙げられます。

(1) 神経系への影響

鍼刺激は、末梢神経を通じて中枢神経系に信号を送ります。

このプロセスは次のように耳鳴りに影響を与えると考えられています。

脳内の過剰な神経活動の抑制

耳鳴りは脳の聴覚野における神経過敏が関与しているため、鍼灸治療が脳の神経活動を正常化する可能性があります。

GABAやエンドルフィンの分泌促進

鍼刺激は、神経伝達物質や鎮静作用を持つホルモンの分泌を促し、耳鳴りに対する脳の感受性を低下させます。

(2) 血液循環の改善

耳鳴りは、内耳の血流障害が関与する場合があります。

鍼灸治療によって血液循環が改善されると、内耳の酸素供給や老廃物の排出が促進され、耳鳴りの症状が緩和されるとされています。

(3) 自律神経の調整

耳鳴りは、交感神経の過剰な緊張やストレスと密接に関係しています。

鍼灸は、副交感神経を優位にし、全身の緊張を緩和することで耳鳴りの症状を和らげます。

(4) 炎症や酸化ストレスの抑制

鍼灸は、抗炎症作用や抗酸化作用を持つとされており、これが耳鳴りに関与する内耳の炎症や酸化ストレスを抑制する可能性があります。

 

3. 心理的・精神的影響へのアプローチ

耳鳴りは心理的ストレスや不安を伴うことが多いため、鍼灸治療が心身全体をリラックスさせる効果は重要です。

治療中の深いリラクゼーション状態は、耳鳴りに対する反応を改善し、症状をより受け入れやすくする助けとなります。

 

まとめ

鍼灸治療は、耳鳴りに対して東洋医学と現代医学の両面から効果を発揮する可能性があります。

経絡を通じて気血のバランスを整えるだけでなく、神経系、血流、自律神経の働きを改善し、心理的ストレスを軽減することで、耳鳴りの症状を和らげることが期待されます。

個々の症状や原因に応じた適切な経穴を選ぶことで、さらに効果が高まります。

 

 

 

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