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▶はじめに

はる鍼灸整骨院の院長 島井浩次です。

当院では、育児や仕事に奮闘するママたちが「本来の元気を取り戻す」お手伝いをしています。

今回は、フルタイム勤務とワンオペ育児の中で坐骨神経痛に悩まされた30代女性の実例をご紹介しながら、トリガーポイント鍼治療と機能神経学アプローチによってどのように改善していったのかをお伝えします。

 

 

▶朝から晩までノンストップの日々

「今日も走ってるな…」

これは、初診時の彼女が話した一言でした。

小走りの毎日。

朝5時半に起きて、まず子どもの朝ごはんと着替えの準備。

保育園に送って、ギリギリ間に合うように出勤。

仕事が終われば急いで保育園へダッシュ。

延長保育の時間を気にしながら夕方の混雑する道を自転車で走る姿は、まるで時間との戦いをしているようでした。

家に帰れば、夕食の準備、お風呂、寝かしつけ。寝かしつけ中にそのまま自分も寝落ちし、深夜に夜泣きで起こされ、また寝かしつけ…。

まるで「自分の時間」という概念が消えてしまったかのような日々。


そんなある日、

「朝起きたら、右足の太ももからふくらはぎまでズキンと響いて立てなくなったんです」

と来院されました。

 

 

 

坐骨神経痛とは? 〜痛みの正体を知る〜

坐骨神経は、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先へと伸びる人体の中でも最も太い神経のひとつです。

この神経が何らかの圧迫や炎症を受けると、お尻から脚にかけて「ピリピリ」「ズキズキ」「ジンジン」といった不快な痛みやしびれが出現します。

彼女の場合は、お尻の奥深くにある筋肉が硬くなり、そこにあるトリガーポイント(過敏化した筋肉のコリ)から関連痛として坐骨神経に沿って痛みを出していました。

 

 

 

なぜ育児中に悪化したのか?

育児中の動きには、坐骨神経痛を悪化させる要因が詰まっています。
 

  • 前かがみでの抱っこ
  • 中腰でのおむつ替え
  • 寝かしつけでの横向き姿勢の維持
  • 夜間の頻回な起床による睡眠不足
  • 一日中ほぼ座ることがないまま走り回る生活
     

こうした生活は、筋肉にとって“休む間もない長時間労働”と同じです。

筋肉はポンプのように動いて血液を流す役割も担っていますが、休むことなく働き続ければ血流が悪くなり、酸素不足から硬直し、やがてトリガーポイント(筋肉のしこり)が形成されます。

そしてこのトリガーポイントが、坐骨神経の近くにできたときに“まるで電気が走るような”痛みを生み出します。

 

 

 

 

検査で見えてきた「感覚のズレ」

問診と触診、そして機能神経学的検査を進めていくと、彼女の体にはこんな特徴が見られました。
 

  • 右の足底の感覚が過敏に
  • 目を閉じると右側への重心のズレが顕著
  • 右殿筋群の収縮が不十分
  • 立位での前庭系バランス反応が弱い
     

これらの検査結果から、右足からの“地面の感覚情報”が脳にうまく届いておらず、右下半身の筋出力が低下していたことがわかります。

特に殿筋(お尻の筋肉)の出力低下は、腰椎〜仙骨〜坐骨神経に大きな影響を与えます。

 

 

 

 

 

治療方針:トリガーポイント鍼と神経系への再教育

当院では、以下のアプローチで治療を開始しました。
 

① トリガーポイント鍼治療

深層の中殿筋・梨状筋など、坐骨神経に関連するトリガーポイントへ正確に鍼を刺入。

鍼によって筋膜の緊張を緩め、神経の通り道を物理的に“開放”することで、神経圧迫を軽減します。

 

② 機能神経学アプローチ

  • 足底への振動刺激で感覚入力を再学習
  • 視覚・前庭・体性感覚の統合トレーニング
  • 呼吸の再教育(横隔膜呼吸の導入)
  • 右脳優位性の過緊張を和らげる調整(特に右視野・右前庭刺激の抑制)

     

まるで、感覚のチャンネルが一部“砂で詰まっていたホース”を洗い流すように、神経の伝達経路を整えていきました。

 

 

 

 

ママのリアルな声「やっと自分を取り戻せた気がします」

4回目の施術のあと、彼女はふと涙ぐみながら言いました。

「今まで自分の痛みを我慢するのが当たり前になってたんです。」
「でも、鍼のあとって頭がスーッとして…。」
「なんだか泣きたくなるくらいホッとするんです。」


育児は、心身を「外向き100%」に使い続ける活動です。

自分の身体や感覚に意識を向ける余裕すらありません。


彼女が回復していったのは、単に筋肉を緩めたからではなく、“自分の感覚を取り戻す”ことで、脳が再び正しく身体を制御できるようになったからでした。

 

 

 

 

生活の中で意識してもらった3つのこと
 

1. 呼吸を意識する時間をつくる

5分でもよいので、腹式呼吸に集中する時間を持つことで、自律神経系が整いやすくなります。

 

2. 片足立ちで左右差を感じる

靴下を履くとき、片足立ちになったときにふらつく側は感覚のズレが出やすい証拠。
意識してトレーニングするだけでも変わります。


 

3. 抱っこは「前傾でなく腰を落とす」

なるべく中腰にならず、スクワットのように膝を使って動くクセを身につけるようアドバイスしました。

 

 

 

 

終わりに:頑張るママの体には、静かな叫びがある

多くのママが、自分の痛みや不調を
「まだいける」
「私より大変な人もいる」
と無理に押し込めて生活しています。

でも身体は正直です。

痛みという“最後のサイン”でしか、SOSを出せなくなってしまうこともあるのです。

彼女は、施術を通して
「痛みに向き合うことは、自分を大切にすること」
だと気づきました。

これは、すべてのママに伝えたい大切なメッセージです。

 

 

 


参考文献(出典論文)

  • Simons DG, Travell JG, Simons LS. Travell & Simons' Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual. 2nd ed.

  • Haavik H, Murphy B. The role of spinal manipulation in addressing disordered sensorimotor integration and altered motor control. J Electromyogr Kinesiol. 2012.

  • Kandel ER, Schwartz JH, Jessell TM. Principles of Neural Science. 5th ed.

  • Brumagne S et al. The role of proprioception in the control of posture and movement in low back pain. Man Ther. 2008.


 

 

 

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