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はじめに ~「この肩こり、もう限界…」そんな声から始まりました~

こんにちは。はる鍼灸整骨院 院長 島井浩次です。

私たちの院には、日々多くの育児中のママさんが来院されますが、その中で特に多いお悩みのひとつが「肩こり」です。

それも、ただの“疲れ”では済まされないような、重く、しつこく、そして心までも圧迫してしまう肩こり

「毎日、肩がパンパンに張って、頭もボーッとする…」
「赤ちゃんはかわいい。でも、体が限界。もう動けない…」

ある日、そんな言葉をこぼしたのは、生後6ヶ月の赤ちゃんを育てる30代の女性、Aさんでした。

彼女が当院に来院されたのは、もはや自分の身体が“育児についていけなくなった”と感じ始めたとき。


実は、育児中の肩こりは「ただの筋肉疲労」ではありません。

背景には、
睡眠不足・栄養不足・姿勢のゆがみ・神経の誤作動など、複雑な要因が絡み合っています。

今回は、そんなAさんが「肩こり地獄」から抜け出し、笑顔と体力を取り戻すまでのストーリーをお届けします。

そして、この物語が、今まさに同じような悩みを抱えているあなたのヒントになれば幸いです。

 

 

育児ママに起こる“見えないエネルギー不足”とは?

Aさんの話を聞いて、最初に気になったのは「肩の張り感」よりも、「エネルギーの枯渇感」でした。

彼女はこう言います。

「夜中の授乳で2時間おきに起きて、朝になっても体が重くて…。」

「それでも動かなきゃいけないのが、つらくて…。」

 

 

 

睡眠不足+母乳育児=ATP(エネルギー)の生産低下

ここで注目したいのが「ATP(アデノシン三リン酸)」という身体のエネルギー通貨。

ATPは、脳も筋肉も、神経も、あらゆる細胞が活動するために不可欠です。
 

  • 睡眠が不足すると、体は修復作業を満足に行えず、ATPの回復も不十分に。
  • 母乳をつくるために、多くのタンパク質・鉄・ビタミンが消耗され、栄養不足になりやすい。
  • その結果、「身体のエネルギーを生み出す土台」そのものが揺らいでしまうのです。
     

これは、スマホを常に省電力モードにして使っているようなもの。

見た目は動いていても、中身はギリギリで、すぐに“フリーズ”してしまいます。

 


 

脳機能にも影響が…?肩こりの裏にある“神経の不調”

「肩こり=筋肉の問題」と思いがちですが、それは氷山の一角。

ATP不足が続くと、脳の中でも「姿勢・運動・自律神経」の調整をつかさどる部位が機能低下を起こします。

 

大脳皮質・小脳のブレーキ機能が弱まる
 

  • 大脳皮質は、身体を意識的に動かしたり、感覚を認識する司令塔。
  • 小脳は、無意識に姿勢を整え、体のバランスを保つ役割を担っています。
     

この二つが“エネルギー切れ”になると、抱っこや授乳で無理な体勢を続けたときに、本来なら脳が「姿勢を補正」してくれるはずの機能が働かず、そのまま筋肉がガチガチに固まってしまうのです。

まるで、車のブレーキが壊れたまま坂道を下っているような状態。
 

 

 

交感神経も暴走しやすくなる

さらに、ATP不足によって大脳の「制御系」が弱まると、交感神経が過剰に働きやすくなります。
 

交感神経が優位になると
 

  • 筋肉は常に緊張状態に
  • 血流が悪くなり、疲労物質が流れにくくなる
  • 眠っても休まらない、という悪循環
     

つまり、Aさんの肩こりは、「神経のブレーキが壊れたまま、ずっと坂を下っているような状態」だったのです。

 

 

 

 

抱っこが引き金に…姿勢の“クセ”が悪循環を招く

育児ママに共通するのが、前かがみの姿勢
 

  • 授乳で背中が丸くなる
  • 抱っこで片側の腕だけに負担がかかる
  • おむつ替えや沐浴など、腰を曲げる動作が続く
     

これらの姿勢は、背骨のアライメント(配列)を乱し、神経の伝達にまで影響を及ぼします。

とくに、首~肩甲骨周囲の筋肉が固まりやすく、胸郭(肋骨の動き)も制限されるため、呼吸が浅くなりがちに。

呼吸が浅くなると、酸素供給も不十分となり、さらにATPが不足するという「負のスパイラル」に陥るのです。

 

 

 

Aさんへの施術 ~鍼と神経アプローチで“脳を元気に”~

では、どうやってAさんの状態を改善していったのか?

当院では、単に肩の筋肉に鍼を刺すのではなく、神経系の機能回復を意識した施術を行いました。
 

① 鍼治療で自律神経の調整

  • 背部(胸椎~腰椎)に鍼をして、副交感神経のスイッチをオン
  • 頚部や肩甲骨周囲の緊張をゆるめることで、呼吸のしやすさを回復
  • 腹部(消化器系)へのアプローチも行い、栄養吸収力をサポート

     

② 機能神経学アプローチ

  • 眼球運動や前庭刺激(バランス感覚)を使って、大脳・小脳の活性化
  • 頭部への軽微な振動刺激で、脳幹の感度を高める
  • 左右差のある姿勢パターンを調整し、神経の流れをスムーズに

     

③ 栄養と睡眠のアドバイス

  • 「鉄・タンパク・ビタミンB群」を意識した食事指導
  • 寝かしつけ後の「15分だけ深呼吸タイム」を習慣化

     

Aさんは、「施術+セルフケア」をセットで3ヶ月継続され、次第に変化が現れてきました。

 

 

 

 

回復への道のり ~肩こりから“本当の笑顔”へ~
 

施術
1ヶ月目:

  • 肩の痛みはまだあるが、朝の「起きるのがつらい」が少し軽くなる
  • 呼吸が深くできるようになってきた実感

     

2ヶ月目:

  • 授乳中の姿勢に気をつけられるように
  • 「最近、夫から“顔色がいい”って言われました」と笑顔

     

3ヶ月目:

  • 肩こりを忘れる日が出てきた
  • 赤ちゃんと遊ぶ時間が“楽しい”と感じられるように

 

 

 

 

 

まとめ :~「頑張りすぎるママ」にこそ届いてほしい~

Aさんのように、育児をがんばるママほど、「肩こり=ガマンすれば治る」と思いがちです。

でも実際には、睡眠不足・栄養低下・神経疲労といった見えない要素が、体と心をじわじわと蝕んでいきます。

「育児は体力勝負」とよく言われますが、実はそれ以上に「神経の健康勝負」でもあるのです。

肩こりは、その神経の悲鳴の“最初のサイン”かもしれません。

どうか一人で抱え込まず、あなた自身のケアにも目を向けてくださいね。
 


 


出典・参考文献

  1. Meeusen, R., et al. (2001). "Brain and fatigue: new opportunities for nutritional interventions?" Journal of Sports Sciences, 19(10), 773-782.

  2. Myers, T. (2014). Anatomy Trains: Myofascial Meridians for Manual and Movement Therapists. Churchill Livingstone.

  3. Balaban, C. D., & Thayer, J. F. (2001). "Neurological bases for balance–anxiety links." Journal of Anxiety Disorders, 15(1-2), 53–79.

  4. Tracey, K. J. (2002). "The inflammatory reflex." Nature, 420(6917), 853–859.


 

 

 

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