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〜脳と感覚からのアプローチ〜

はじめに

ポーツにおける膝や足首の障害は、プロ選手だけでなく部活動や趣味で運動を楽しむ多くの人々にとって深刻な悩みです。

捻挫や靭帯損傷、繰り返す膝の痛みなどは競技の継続を困難にし、再発率も高いのが現状です。

しかし、これらの障害は単なる「足元の問題」ではなく、視覚や前庭系、さらには脳機能に関わる深い要因が関与している可能性があります。

本記事では、感覚入力と中枢神経の視点からスポーツ障害の発症・再発メカニズムを解説し、鍼灸がどのようにそれらの予防と改善に寄与できるかを専門的かつ分かりやすく紹介します。


 

視覚と前庭系が運動制御に与える影響

運動時、私たちは視覚から得られる情報をもとにバランスを取ったり、方向転換を行っています。

視覚は足元の状態や障害物の有無を瞬時に認識し、身体の姿勢や重心移動を調整するうえで不可欠です。

しかし、長時間のスマートフォン使用や視力低下などにより視覚の情報処理能力が落ちると、正確な身体制御ができなくなり、転倒や捻挫のリスクが増します。

また、内耳にある前庭器官(半規管・耳石器)は加速度や重力を感知し、頭部の動きと体幹の姿勢調整に寄与します。

前庭系が適切に働かないと、地面の傾きを感じることができず、身体の左右バランスが崩れやすくなります。

これは、着地時の足首の捻挫や膝関節の不安定性につながる要因となります。



 

足部感覚と前庭系の連携

足の裏には多くの機械受容器があり、地面の硬さや傾斜、重心位置などの情報を絶えず脳に送っています。これらの感覚は、前庭系と連携して身体の位置を把握し、適切な筋活動を導きます。

しかし、足部の感覚が鈍くなっていると(例:靴が合わない、足趾の変形、過去の外傷など)、正確な情報が脳に伝わらず、姿勢制御が不安定になります。

足部感覚と前庭系の情報が一致していないと、脳はどちらを信用すべきか混乱し、結果として動作の精度が低下。

これがジャンプやターン動作でのタイミングずれを引き起こし、膝や足首への負荷増加に直結します。



 

位置覚異常とケガのリスク

位置覚とは、自分の身体の各部がどこにあるかを無意識に認識する能力です。

足関節や膝関節の靭帯・筋肉には多くの固有感覚受容器が存在し、それらが脳に関節の角度や動きを伝えています。

度捻挫をすると、靭帯が損傷するだけでなく、その中にある感覚受容器の機能が低下することがわかっています。

これにより位置覚が不正確になり、脳は「今、足がどの位置にあるか」を正確に把握できなくなります。

この位置覚異常が、再び捻挫や転倒を繰り返す要因になっているのです。



 

大脳皮質の機能低下と調整系の乱れ

脳の中でも運動制御に重要なのが大脳皮質の運動野や感覚野です。

これらは、視覚・前庭・足部感覚など多くの情報を統合し、身体の各部に正確な運動指令を出しています。

長時間のスマホ使用や睡眠不足、ストレスなどにより、大脳皮質の働きが低下すると、これらの情報統合がうまくいかず、動作がぎこちなくなります。

また、誤った運動パターンを学習してしまうことで、膝や足首に負担が集中する癖がつき、慢性的な障害につながることもあります。


鍼灸では、大脳皮質の活動を促す特定の経穴(例:百会、太陽、風池)を用いることで、脳の調整機能を高め、運動パフォーマンスの回復を目指すことが可能です。


 

小脳の役割とスポーツ障害

小脳は「動きの微調整」と「学習された動作パターンの再現」に関わる重要な部位です。

動作の誤差を感知して修正する能力が小脳にはあり、バランス能力や動作の滑らかさを維持するために不可欠です。

しかし、脳疲労や感覚入力の偏り(片側ばかりの荷重、片眼視など)により小脳の働きが不十分になると、動作が不安定になり、関節への負担が大きくなります。

これは、スポーツ障害のリスクを高めるだけでなく、パフォーマンスの低下にもつながります。


鍼灸では、後頭部や頸部にある経穴(例:天柱、風池)を刺激することで、小脳への血流を促し、その機能をサポートすることができます。


 

鍼灸によるスポーツ障害予防の実際

鍼灸では、単に筋肉の緊張を取るだけでなく、神経系へのアプローチを重視しています。以下のような方法で障害予防に貢献します。
 

  • 視覚、前庭、足部感覚のバランスを再構築する経穴刺激(例:太陽、百会、崑崙など)
  • 感覚と運動の統合を促す頭皮鍼や耳鍼(脳神経を介した入力)
  • 姿勢制御筋(腸腰筋、内転筋群など)へのアプローチ
  • 神経滑走性や感覚入力を改善する刺鍼や手技
  • ATP産生促進を通じた中枢機能の改善
     

これらを通じて、再発予防だけでなく「ケガをしにくい身体作り」に貢献できるのが鍼灸の強みです。


 

呼吸機能と脳機能

呼吸が浅い、早いなどの状態では横隔膜がうまく機能せず、体幹の安定性が損なわれます。

これは膝や足首の安定にも影響し、障害の温床になります。

また、浅い呼吸は脳への酸素供給を妨げ、大脳皮質や小脳の機能低下を引き起こす可能性も。

鍼灸では呼吸筋(胸鎖乳突筋、斜角筋、横隔膜付近)の調整や、自律神経系へのアプローチにより、呼吸機能を高めることで間接的に脳機能を支援できます。


 

まとめ

膝や足首のスポーツ障害は「足元だけの問題」ではなく、視覚・前庭系・足部感覚・大脳皮質・小脳といった脳神経系の総合的な問題であることがわかってきました。

鍼灸はこうした中枢と末梢の連携を整え、再発予防とパフォーマンス向上に大きく貢献する治療法です。


 

【参考文献】

  1. Shumway-Cook A, Woollacott MH. Motor Control: Translating Research into Clinical Practice. 5th ed.

  2. Takakusaki K. Functional neuroanatomy for posture and gait control. J Mov Disord. 2017.

  3. Yamamoto T, et al. Effects of acupuncture on postural control and brain activity. Evid Based Complement Alternat Med. 2016.

  4. Matsugi A, et al. Cortical activation changes after proprioceptive stimulation. Neurosci Lett. 2017.

  5. Yaggie JA, Armstrong CW. The effect of proprioceptive training on the incidence of ankle sprains in collegiate athletes. J Sport Rehabil. 2001.

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