
はじめに
「パソコン仕事が好きなはずなのに、最近はモニターを見つめるのがつらいんです」
初めてお会いしたとき、彼は少し疲れた笑顔でこう話しました。
40代、建築デザイン会社を経営する男性。店舗内装のデザインや間取り図、設計図を描くのが天職だと言います。
「自分が描いた線が現場で形になる瞬間が、何より楽しいんです」
そう語る表情には、仕事への強い誇りがにじんでいました。
しかし。
ここ数カ月、首のこりが痛みに変わり、パソコンに向かうたびにふわふわするめまいと耳鳴りが襲うようになったそうです。
「設計を進めたいのに、首が痛くて集中できないんです。」
「モニターを見ていると体がふわっと浮くようで、怖くなる時もあって…」
彼はパソコン作業が好きだからこそ、仕事を手放すことができませんでした。
しかし、「仕事を続けたい気持ち」と「体がついていかない現実」の狭間で苦しんでいたのです。