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神経系と酸素:命のネットワーク


呼吸は生きるための基本であり、神経系にとっても最も重要なパートナーです。

何気ない呼吸にも、私たちの脳と身体を守る壮大なメカニズムが潜んでいます。
 

神経系は、体のあらゆる働きを統合し、調整する「司令塔」のような存在です。

運動、感覚、記憶、感情、自律機能など、私たちが無意識に行っていることの多くが神経系によって制御されています。

これらの機能を維持するために、神経細胞(ニューロン)は常に大量のエネルギーを必要とします。

そしてこのエネルギーの産生には、酸素が不可欠です。酸素は、ミトコンドリアでのATP(エネルギー通貨)の合成に使われます。

神経細胞は代謝が非常に活発なため、酸素の供給が数分でも絶たれると、不可逆的な損傷が生じます。


 

酸素供給が止まるとどうなるの?


呼吸停止や窒息、または脳血流の障害(例:脳卒中)によって脳への酸素供給が止まると、以下のようなプロセスが短時間で進行します。
 

  1. 1分以内:神経細胞の活動低下、意識の消失。

  2. 3~5分:神経細胞が不可逆的に損傷を受け始める。

  3. 10分以上:広範な脳損傷により、意識回復の見込みが急激に低下。

     

このように、神経系は「酸素依存性」が極めて高いのです。

 

呼吸と自律神経:ホメオスタシスの鍵


呼吸は意識的にも無意識的にもコントロールできる、非常に特殊な身体機能です。

無意識下では「延髄」という脳幹部の呼吸中枢が呼吸を調整し、体内の酸素・二酸化炭素濃度のバランスを維持します。これがいわゆる「ホメオスタシス(恒常性)」です。

酸素が不足したり、二酸化炭素が過剰になると、延髄の化学受容体がそれを感知し、呼吸数や深さを自動的に調節します。

また、自律神経系(交感神経と副交感神経)もこのプロセスに深く関わっており、呼吸の変化に応じて心拍や血圧などを連動させて調整します。


このように、呼吸は神経系と連携して、体内環境を一定に保つように働いています。

 

呼吸とストレス、感情の関係


興味深いのは、呼吸がストレスや感情と密接に結びついている点です。

強い不安や怒りを感じたとき、呼吸は浅く速くなり、交感神経が活性化します。

逆に、ゆっくりと深い呼吸を行うと、副交感神経が優位になり、リラックスや回復モードに切り替わります。

これは「呼吸法(呼吸訓練)」が自律神経を調整し、精神的な安定や集中力の向上に効果があることの科学的な根拠でもあります(Zaccaro et al., 2018)。

呼吸という身体的な行為を通じて、神経系に直接働きかけることができます。


 

酸素濃度の異常と神経障害


酸素が多すぎても少なすぎても、神経系はダメージを受けます。
 

① 低酸素症(Hypoxia)

登山や呼吸器疾患で見られる低酸素状態では、脳が慢性的に酸素不足になり、注意力低下、記憶障害、判断力の低下などが起こります。

慢性的な低酸素は、認知症やうつ病のリスクを高めることが報告されています。

 

② 高酸素症(Hyperoxia)

一方で、医療現場などで過剰な酸素投与を行うと、酸素による「酸化ストレス」が生じ、神経細胞を損傷する可能性があります。

酸素は必要不可欠ですが、“多すぎても毒”となることを忘れてはなりません。


 

神経系の視点から考える呼吸の重要性


呼吸は単なるガス交換ではありません。

それは、神経系の働きを支える根源的な生命活動であり、恒常性を保つための最前線でもあります。

呼吸によって得られる酸素がなければ、脳は数分で機能を失います。

また、呼吸のパターンそのものが神経系の状態を反映し、かつ調節する手段にもなるのです。

このように、神経系の健康を守るためには、「質の良い呼吸」が欠かせません。

深く、ゆっくりとした呼吸を意識することで、自律神経を整え、脳への酸素供給も最適化されます。

それが結果的に、集中力、ストレス耐性、睡眠の質の向上などにもつながっていくのです。



 


参考文献(出典)

  • Zaccaro, A., Piarulli, A., Laurino, M., et al. (2018). How breath-control can change your life: A systematic review on psycho-physiological correlates of slow breathing. Frontiers in Human Neuroscience, 12, 353.

  • Guyenet, P. G., & Bayliss, D. A. (2015). Neural control of breathing and CO2 homeostasis. Neuron, 87(5), 946–961.

  • Semenza, G. L. (2014). Hypoxia-inducible factor 1 and cardiovascular disease. Annual Review of Physiology, 76, 39–56.

  • Neubauer, J. A. (2001). Invited review: Physiological and pathophysiological responses to hypoxia. American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology, 281(5), R1571–R1578.

     

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